「───惨劇は、今一度蘇る」
第一話
「忘却編 その一」
1996年10月10日。
食堂暖炉にて花井廻、河野大輔両名と思われる遺体を発見する。
発見当初、遺体は炎上しており、目立った外傷も見当たらなかったと言う。現場となった食堂にも大きな痕跡はなく、殺害方法は不明瞭なままである。
第一の事件
第一の夜、理に選定されし者、二つの肉体を煉獄に焚べよ
──暖炉に人間をぶち込むのは少々骨が折れた。
???
第三話
「忘却編 その三」
第二の事件
第二の夜、理に選定されし者、二つの肉体を正門へと翳せ
──殺そうとしたら何度も抗う者だから、
突き落としてやった。
???
1996年10月11日。
教会を訪れた雛沢奏人、早乙女凛、山岸隆二の三名は、
首吊り状態の対馬美香を発見、死亡を確認。絞殺、著しい頭部の損傷に加え、体中から血液が噴出している状況より、二階席からの転落死と推定。
実情を知ることは不可能となった。
第三の事件
第三の夜、理に選定されし者、己が血肉を陣にて捧げよ
──あぁ、もう一人は適当に射抜いてやった
???
1996年10月11日。
第一号館扉前にて、三上英志、稲城千紗両名が山岸隆二の遺体を発見。
頭部の大部分が破損しており、殺害方法は現場に落ちていた回転式拳銃により、至近距離から撃ち込んだ物と推定。
第四話
「忘却編 その四」
第四の事件
支となる四肢を抉りて殺す
──昨日同様、綺麗にデコレーションしようと努力したんだがな。あの身体は想像以上に頑丈だった。ノコギリでも上手く切断できないとは。
???
1996年10月13日。
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終幕
核となる心臓を抉りて殺す
器となる頭蓋を抉りて殺す
生贄は終わりを告げ、冥界より出でる
さぁ、我を讃えよ 我の再誕に賛美せよ
さすれば、蒼月の夜、汝らの魂は楽園へと至る
輪廻の軛は終焉へと向かい、安らかなる静寂が訪れるであろう
死と再生の神、オルフェウスの御手によって────